SSブログ
Jazz Review ブログトップ

Kenny Garrett Pursuance: The music of John Coltrane [Jazz Review]


この写真を見てフムフムという人は、お友達ですね。これはケニーギャレット氏のセッテイングです。30年来、アルトのマウスピースはソロイストのロングシャンクEを使ってきた。メイヤー、デュコフに短期間浮気をしたことはあったけど。このマウスピースは大学1年生の時、バンドの部室にあったというか落ちてたもの。使ってみたら大きい音がでるのでそのまま使うようになっていまだに使っている。最近になって伝説の大先輩斉藤さんという方が、「それは俺の買ったマーク6についてたやつだ」と証言され、出所が明らかになったのであるが。ケニーギャレットが80年代に現れ、同じマウスピースを使っていて一世を風靡したときは驚いた。自分の方が先に使っていたとは思うけど、それ以来このソロイストの中古市場価格が急に上がってしまった。オープニングと状態が良ければ数万円である。それで彼のものと同じリガチャーにしたらやはり調子が良く(Brilhart Plastic cover こっちの方がソロイストより高いんだけど)、このセッテイングに落ち着いたわけです。でも正直言ってケニーギャレット、すごいと思っていたけど、実はあんまり聴いてなかった。昔、クリニックを受けて「君の音はいいけど、どうもジャズには聞こえないんだ」と言われてからのトラウマか。でもこの間FMを聴いていたら、すぐにケニーギャレットだとわかる演奏が流れてきて、でも混乱したのですよ。これはコルトレーンがヤマハのアルトを吹いてレコーディングしたものが発掘されたのか?とかね。(なんでヤマハなーのか?)Alabamaの一部だったと思うのだけれど、コルトレーンそのものだったのである。このCDは発売からかれこれ10年たつのだけれど、その存在を忘れていた。だけれど背筋に電流が走った。感動してしまったのです。ここまでアルトでコルトレーンを吹いてしまうということ。またはその気になればコルトレーンの節回しを完全に表現できてしまうということ。いままで自分がコルトレーンの曲を(特にバラードね)を吹いてもサマにならないのをマッコイタイナーとエルヴィンじゃないせいにしてきたこと。参りました。コルトレーンはコルトレーンだからなしえたのですね。ケニーギャレットさんごめんなさい。あなたは素晴らしいです。遅ればせながらこのCD購入してまじめに聴いています。欲をいえばGiant stepsはガチンコでやって欲しかったのですが。
Kenny Garrett Pursuance: The music of John Coltrane 同じマウスピースのセットが見えます。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:音楽

Charlie HADEN 「THE MONTREAL TAPES」 Tribute to Joe HENDERSON [Jazz Review]


と言いつつまたもや中身はジョーヘンダーソンである。
ジョーヘンはライブでベーシストを選ぶ。晩年ではディブ・ホランド、ジョージ・ムラーツ、そしてこのチャーリー・へイデン。共通項は白人で上手い(たとえば音程が異常によい)ことくらいかもしれないが、なにかこだわりが感じられる。みんな違ってみんないいのだが。特にロンカーターの時と違ってきこえる。ロンカーターは強力な推進力を持つベーシストだが、先に挙げた3人は基本的にスペースを最大限ソリストに与えているとでも言おうか、ジョーヘンの飛び方が違う。ベースを聴きながらそれを足場にしてぶっ飛んでいくようなアドリブ。特にピアノレスの時のソロが良い。ドラムスはいずれもアル・フォスターだが、ジョーヘンはアルを信頼していたのだとおもう。コルトレーンのバンドがマッコイとエルヴィンじゃあなかったらすぐわかるけど、ベースがレジーワークマンかジミーギャリソンかってあまりこだわらないのとはいろいろな意味で対照的だと思うのだが。特にチャーリーへイデン(むしろジョーヘンが選ばれたのか?)の場合、しっかりと低音(ルートとは限らないが)をキープしつつ、すり足のようなベースでジョーヘンを鼓舞するという感じで盛り上がる。それからどういう状況なのかわからないが、1曲めのRound Midnightではオンマイクになったりオフマイクになったりして、そのどちらの音もジョーヘン好きにはこたえられないのだ。あれはマイクのエンジニアがチェイシング ジョーしているのだろうか、ジョーヘンがあまり動き回るとは思えないのだが、それも生々しくいいのですね。彼はかなりマイクロフォンテクニックがあると思うのだけれど、マイクは何かとかも気になるところ。ドイツ、ミュンヘンのヴィデオではEVのRE20のときとショップスの場合とで音が違うので面白い。(中の写真を確認したらRE20である。一本欲しくなった)
このジョーヘンも楽しめますぞ。


Big Band (Joe Henderson) [Jazz Review]

 CDの時代になってからというもの、一枚を通して聴く機会がめっきり減った。曲数が多い、長い、駄曲が必ずある、などの理由なのだが、もちろんこちらの集中力や体力、自由時間の減少もあるのだろう。マーラーやブルックナーはけっこう通して聴くけど、ジャズの場合、Kind of blueでさえ精神状態によってはFreddy Freeloaderなんかは飛ばしてしまう。しかし久々に一枚丸々聴くことの出来るものに出会えた。しかも嫌いなビッグバンド(演奏するのはけっこう好きなのだが)である。曲はいずれもジョーヘンの名作であるので駄作はない。しかもアレンジも正統派で完成度が高い。天才である。お仕着せのウィズストリングスとはわけが違う。リーダーが自分の曲をフルバンドにアレンジすることはけっこうあるが、ジャコもミンツァーもある意味異端である。全編自分のソロをフューチャーしてこれだけ聴かせるものをつくった者はいないだろう。バンドの山内さんは生をニューヨークで聴いたそうで、今となってはなんともうらやましい。ジョーヘンの音はマイク乗りが非常に良く、バランスも最高である。セクションもジョンファディスを筆頭にチックコリア、クリスチャンマクブライトと非の打ち所がない。ドラムは曲に合わせて贅沢に3人を使い回している。Freddie Hubbardもほとんど復活と言っていいソロで参加していてうれしい。死後これほど評価が高まったジャズメンも珍しい。今潤沢に輸入盤市場に出回っているのでお買い得。くれぐれも中古の¥7000もするようなものを買われませんように。
写真:ジョーヘンダーソン『ビッグバンド』ジャケットも秀逸。ぜひLPでも欲しいものだ。


Jazz Review ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。