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The Martin Tenor sax report2 [sax]

追伸
所有者の方からコメントを頂きました。ストリームラインの方がいいようなのですが・・、とのこと。実は吹いていて自分もそう思っていました。ショートシャンクの方はM6で美質となっているドライでソリッドな感じが、なぜかマーティンではノイジーになるのです。ストリームラインはM6ではすこし泥臭くなるきらいがあるのですが、マーティンでは端正で、上から下まで絶妙なバランスで鳴るのです。個性的な楽器はこれだから面白いのですね。

マーティン テナー レポート その2であります。今回は宅録です。出来るだけこの楽器の特徴を出せる条件を整えて録音する予定だったのだけれど・・・・。下で試聴してください。

 年代は所有者の方の情報とシリアルナンバーから1951年製、コミッテイーというモデルになるのでしょうか。ナンバーは16万台なのですが、この年、セルマーはまだ4万台である。年ごとに飛んじゃっている可能性もあるのだけれど、なんといってもアメリカの軍需、教育需要に乗っかったメーカーだったということはあるのではないでしょうか。このへんの情報も詳しい人教えて下さい。この楽器はUSの刻印があり、軍御用達らしいです。民間用のものもあるらしいです。違うのでしょうか。興味ありますねえ。ブラスバンドというのは米語では軍楽隊という意味もあるのだ。堅牢な楽器だけど、やっぱり行進には重かったろうなあ。朝鮮戦争の時です。そう考えると胸が痛む。
 ヴィンテージの楽器が良い状態で現在まで保たれるためにはいくつか条件が必要です。
その1、当たりの楽器であったこと。つまり良い個体でなければ生き残っていないはずです。
その2、上手に使われてきたこと。下手な人のもとだったら良い楽器にはなれないし、あまり吹奏されていなければ本質的な部分が劣化していて使えなくなるはずです。おそらく早めに除隊させてもらった楽器でしょうね。
その3、この楽器の価値と特徴を理解しているゴッドハンドをもつリペアーマンが存在したこと。日本にもいますよね。つまり50年以上スクラップにならず残っている楽器というのはそれだけで名器のための条件をクリアしていることになるのでしょう。


今回試してみたマウスピースです。左からブリルハートエボリン、同ストリームライン、同ハードラバー、セルマーソロイストショートシャンクD。このうち採用したのはストリームラインとショートシャンク。奇しくも両方ともこの楽器の持ち主の方から譲っていただいたオリジナルのものです。やはりオリジナルはいい。ハードラバーはいけたのですが、リードを選んでいる時間がなかったのと、最近体がショートシャンクに適応しすぎているためうまく吹けなかったのね。結局リードは両方ヘムケの3.5使い回し、リガチャーはストリームラインオリジナルとセルマーはブリルハート逆締め用を順締めで使用。リンクもあったけど、何となく違うかなと思った。でも今後スラントとトーンマスターは試してみる価値はあるな。この頃のセルマ−バンディはショーターが使ってたらしいから。

マイクはソニー56Pがいい味なんだけれど、より特性がフラットな右のRODE NT2を採用。本当はいいダイナミック、EVのRE-20かゼンハイザーあたりが欲しいなあ。やっぱりマイクもヴィンテージなんだろうな。あとはTASCAM FW-1804に入れ、Power Mac G5でLogic proでHD録音。あまり特性をいじらずmp3に落としてあります。真空管アンプとアルテック604でモニターしたのでPCのスピーカーだとどうかな。KTー88だからマッキントッシュなら相性いいかも。ははは・・・・。
 バックはおなじみJamey play-a-long リズムセクションはD.Haerie J.Golsby Ed.Soph(何者?)
曲は
 You are my Everything (Brilhert Ebolin Streamline)
http://homepage.mac.com/herosia2/music/youare.mp3
 You and the night and the music (Selmer soloist shortshank D)
http://homepage.mac.com/herosia2/music/youand.mp3
 いつものことだけど一発初見に近いやっつけ録りなので、くれぐれも音だけをチェックしてくだされ。演奏にはノークレーム、ノーリターンでね。


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ゆき

風格ある音ですね・・・。ヴィンテージの楽器が良い状態で現在まで保たれるためにの条件、わかりやすいですね。もともと良い楽器で、その楽器の良さがわかる人によって使われてきた楽器、それは次の人の手に渡っても粗末にされることはない、ということですね。それでも、運悪くその価値を見い出されずに、闇の中に葬られてしまうという哀れな結末をむかえた名器もたくさんあるのでしょうね。
by ゆき (2007-07-31 15:31) 

herosia

大戦中、グレンミラーが軍楽隊で指揮していて、行進曲がつまらなくてジャズ風にアレンジして受けたというシーン、それからヨーロッパ慰問で爆撃が始まっても、「イン ザ ムード」の演奏を止めなかったというシーンが、かの有名映画にありまして、これじゃあ日本は負けるわけだって子供の頃思いました。音楽を戦意高揚の手段にされ、軍楽隊でひどい目にあった楽器は本当に哀れです。そう思うとこういう楽器は本当にいとおしい。日本では君が代をジャズ風に弾いてクビになった先生がいたのですよ。戦後ね。今そんなことしたらこれまたそうとう騒ぎになるけど、ますますひどい世の中だ。情けない日本!
by herosia (2007-07-31 22:04) 

ゆき

追加です。
日本人て権威の前には子羊のようにおとなしくなってしまいますね。戦争中の軍隊でも、日本人は一糸乱れぬ隊をつくってしまうでしょ。音楽どころの話じゃない。だから独創性が命のjazzって日本人にはむずかしいのでは、と思うのですが、どうでしょう。でも日本人でもjazzやっているような人はちょっとは気骨があるのかな。
by ゆき (2007-07-31 23:53) 

herosia

立派な音楽性には立派な人間性が宿って欲しいものだ。
by herosia (2007-08-01 00:17) 

おがわ

シルバープレートって固く尖った吹き心地と音色で苦手なんですがこの楽器は全くそういう感じがしませんね。シルバーにショートシャンクだとガチガチな音になるかと予想されるのに意外と合いますね。さいきん40歳ぐらいになって借金へったらBuescherかRadio Improved欲しいなと思ってますが(価格が倍以上ちがいますが)、まだまだ知られてない銘器があるのかもしれませんね。
by おがわ (2007-08-05 19:42) 

herosia

この楽器は実質radioなんじゃないかな。共通する意匠が多いから。そんでうまくすると安いかもね。
by herosia (2007-08-06 00:37) 

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