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Selmer Soprano sax Model26 続き [sax]

 わたしってすごいんです。強くくわえたり、弱くくわえたり。深くくわえたり,
浅くくわえたり。固くしたり柔らかくしたり。ぬらしたり乾かしたり。ついにはちょん切っちゃったり。なんせ相手はは84歳のおじいちゃま。みかけは立派で、まっすぐで黒光りさえしているのに、音程が全然とれなくて。それでとことん研究しちゃいました。
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 こういう文体に郷愁を覚える世代もおそらく氾濫するネットイメージのなかで堕落しているに違いない。中年よ、コルトレーンを聴け。エルヴィンに果てろ!
 で何の話かというとソプラノサックス Selmer Sopranosax Model26の続きである。

ついにシャンクを切られたり削られたS80たち。右はカット前
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 S80のC☆、を試してみると結構いける。どうもシャンクというよりはマウスピースの構造に要因がありそうである。チェンバーは狭い方が音程が安定するようだ。しかしとりあえず当初の方針どおりシャンクは切っちゃう。結果は反応がよくなり、音色が好ましくなり歯切れもよくなるが、音程に関してはさほど変化はない。そのうちにS80,Eも入ったのでそのまま吹いてみるとなかなかいい。このあたりは以前マークⅥでもお試し済みだがこんなによくなかった。つまりこのModel26はこういったクラシック、吹奏楽御用達のMPでもかなりはじけたいい音がするのだ。音程はやはりC☆☆やC☆にくらべるとやや荒れる。でも同じところ(ポイント)をねらうと決して無理ではない。つかえる。でもシャンクは切っちゃった。
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 次に登場したのはSelmer S90.170とVandren S27である。S90(須川某の選定プレートが貼ってあった)は久々に吹いたがヴァンドレンは初めてである。もっともクラの5RVは持っているけど。これがなかなかいい。完全にクラシックでしか使われない奴らであるが、Model26で吹くとショーターサウンドである。ちょうどネイティブダンサーの頃のね。当時はマークⅥとリンクスラントだと思うけど。この子たちはシャンク切りは免れた。どう考えてもそのままメインとしていけそうなので。
 ここで前にあきらめたソロイストとメタルも試してみたのだが、なんと使えるではないか。もちろん力んで噛みしめると2オクターブ目の音程は上がりにあがる。でもダークな音色の部分でコントロールすると音程はキープできる。C#とDの音程もどうにかとれるポイントがある。
 どうも私の体の方が変わってしまったようだ。「気がついたら私が調教されちゃっていたんです」
結論が出た。
・ラージチェンバーのMPはコントロールが難しい。
・クラシック用のチェンバーをもつMPでも音色は十分ダーク。
・無理なく使えるリードであまり噛まないでリードを曲げずに吹く。
・かといって極端なファットリップスやダブルは無理なので、サーボをかけるようにリードをサポートするのがよい。
・あまり小細工せずに口の容積を十分にとり、正しい呼吸法でたっぷり吹く。
というところか。結局クラシックで言うような正しい吹き方で攻めていけば体の方が順応するようである。それにしてもこの楽器は楽しい。発音に関してはマークⅥより吹いていてストレスがない。しかも価格相場はⅥの半分程度である(ただしイシモリの戸井田さんのフルオーバーホールが必須だけれど)。とても初心者には勧められないが、本来のサックスという物があるとすればこの楽器に近いのだろう。マークⅥ、SA80と車で言うとオートマのような機能は進化したのだが、失ったものも多いのだろう。
 自分のバンドが最近ないので昨日、友人のライブに乱入し、Model26は無事バンドデビューしたのだが、音程の苦情はなく、上品にして切れ味がいいとなかなか評判であった。ソプラノの可能性を見いだした気がする。そのうち音源をアップするので聴いてください。
おしまい

Selmer Soprano sax Model26 [sax]

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左MarkⅥ 右Model26 あきらかにスケールが違う
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きれいな彫刻である。サテンシルヴァーに浮かび上がる

1926年製 その名もModel26である。
一吹きで音色に魅せられる。ギターでいえばヴィンテージのテレキャスター。
ところがこいつがすごいじゃじゃ馬。車でいえばマスタングどころじゃない。
マーク6が60年マスタングならやはりこいつはフォードModel Tである。
今、マーク6やヤマハで満足している人、またはそれさえ吹きこなせていない人は、こいつに手を出してはいけない。
音を聴いている分には十分なのだが、演奏(路上走行)となるとそう簡単にはいかない。
メカニズムは問題ないのだ。マーク6とほぼ同じである。このキーメカニズムをセルマーは60年間もほって置いたのはその完成度によほど自信があったのだろう。SA80でテーブルキーになったのが鈍くさい。ソプラノはこのサイドキーの方が実にすっきりしている。
問題は音程である。マーク6のセッテイングでは全く音程が取れない。
まず中音域C#とDの音程が全音近くある。これはどんなにアンブシュアを工夫しても全然改善できなかった。それからオクターブキーを押さえた音域のピッチが異常に高く不安定。わたしゃほとんど絶望した。自慢のダルマもセルマーメタルも古いWoodwindも全然駄目。
 ところが救世主現る。以前購入した現行S80 C☆☆のシャンクをちょん切ったやつ。これをつけると奇跡のようにC#の音程が取れるのだ。それからオクターブの音程も何とかなる。いったいこれは何故なのか。C☆☆というロングフェースのせいなのか。開きの狭いせいなのか。単なる個体の特異なのか。切ったシャンクのせいなのか。ヴィンテージソプラノに詳しいイシモリのお兄さんに聞いてみるとどれも可能性があるとのこと。仕方がないのでオークションでS80のC☆とEの新品を落札して実験してみた
続く

YAMAHA Soprano Sax YSS-62S [sax]

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left: Selmer MarkⅥ---------------------------------right: Yamaha YSS-62S
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abobe: Selmer MarkⅥ-----------------------------below: Yamaha YSS-62S

試聴→ Central Park West MPはS80 C☆☆のシャンク切ったやつ リードRICO4

 ヤマハYSS-62Sである。ピッカピカのね。70年代後期から90年代初期まで作られていた楽器。
ヤマハからこの62シリーズが出たあたりからセルマー本社が危機感を持ってSuperAction80の開発を急いだという話を聞いたことがあるが、本当なのだろうか。とにかくソプラノに関してはセルマーはマーク7なしで左手サイドキーがバランス時代のままのマーク6であり、操作性で問題意識があったことは間違いないと思うのだが。しかし残念ながらその後のSuperAction80のソプラノはこのYSS-62に及ばないようである。初代は音色はなかなかいい物もあるが、操作性は62よりよいということはない。何より音程はヤマハの方がとりやすいようだ。作りが丁寧で彫刻も美しく、当時の物作りニッポンのレベルの高さを体現しているような楽器である。ヤマハ自身もその後のネックが取れるソプラノが果たしてこれを越えているかというと疑問だが。ただしYamahaのアルトやテナーは、ジャズではやっぱりメリケンサックスに比べると音が寂しい。
 それではマーク6のソプラノはどうなのかというと、音質は圧倒的に深い。倍音の成分は何といってもマーク6が上である。ただ、いいマウスピースを組み合わせなければならない。ヤマハはマウスピースを選ばない。むしろ付属のヤマハのやつが一番バランスがいいくらいだ。
 コルトレーンの音はマーク6でしか出ないが、80年以降のショーターサウンドならばむしろヤマハのほうが実現しやすい(本人が使っているのだから当たり前か、ただしR、RS)。
 アメリカでは62Sの方がマーク6より人気があるなんていう噂も聞いたことがある。でももし店頭で同じ程度で2つ並んでいたらマーク6を買うべき。サイドキーは慣れれば全く問題ない。
 ビンテージのソロイストを買うお金がない場合、銀メッキが極めてきれいな場合は、62Sを買うべきかもね。それから都内某ISHIMORI楽器には当時よりも良質のYSS-62用のパッドがあるからオーバーホールも条件になりますね。 

新春コルトレーン My one and only love [sax]

謹賀新年
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たいしておめでたくないさ。
でも年末にトーンマスターを山中良之氏に修正してもらって気をよくした。そんではじめのセッションでMy one and only love をジョニー・ハートマンのキーでやった。パワーを入れすぎるとサチってしまうけどプレスティッジのトレーンの音がしてませんかあ。

My one and only love←クリック試聴

情景
 ジョニー・ハートマンのホテルに電話をすると彼はまだいた、が暴君は酔ってはいないようだった。今日はジミーは早く着いたのでトレーンはヴォーカル抜きでリハーサルを始めるつもりのようだ。マッコイもジミーもいつもと違うキーなのですこし不平気味だったがトレーンはさっさと始めたのでルディはあわててテープを回した。トレーンはようやく気に入ったオットーリンクを手に入れたようだ。ルディは今日は初めて使う日本製のマイクをトレーンのベルに近接させて録ってみようと企んでいた。エルヴィンはいつものようにタムのチューニングに余念がなかった。
1963年3月7日 ルディ・ヴァン・ゲルダー スタジオにて ボブ・シール談
(これはフィクション)

データ
テナーはM6 リードはリコの3
録音はPCM-50D 44kで欲張らないで録ってもいい音してる。
Logicでリバーブ14dbとちょっとイコライジングしてiTuneへバウンス。
めでたし。


Mystrerious #D Selmer short shank Soloist mouthpiece、D の研究 その3 野音ライブ編 [sax]

ここから見た人は2つ遡って見てくれないと意味不明なのでよろしく。
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 上野水上音楽堂でやったビッグバンドのライブで勝手にショートシャンクの試奏をやった。4曲ソロがあったので4種類のDを試すことができたわけだが、それじゃあまりにも忙しいし、いみじくもバンドの本番なのでやめて、ショートシャンクの分類ラベルCを使ってマイク乗り、音程のチェックをした。マウスピース選定風のフレーズだったらゴメン。
 リハーサルから本番まで4時間あったのでステージ裏で4本比べてずっと吹いていたら翌日すごい頭痛になった。姿を見た人はコルトレーン並みのキ○ガ○だと思ったに違いない。
 野音なのでおそらくマイクロフォンは低域をかなりカットしているはず。ここで吹くといつもペラペラの音になる。今回はどうか。あと野音って返しのモニターがよく聞こえないのでソロつらいのだ。
曲はコルトレーンの「Central park west 」
http://homepage.mac.com/herosia2/music/cent.mp3
カーラブレイの「Strange arrangement」
http://homepage.mac.com/herosia2/music/stra.mp3
 結局このマウスピースはいい。音程は問題にならないレベルである。低音域が出てないのはPAのせいでしょう。ジョーヘンのアーシーなところがイマイチ出ていないようですが、高音部のはじける感じはなかなかよろしいと思います。

Mystrerious #D Selmer short shank Soloist mouthpiece、D の研究 その2 実践編 [sax]

えーっと、初めていらっしゃった方は前の記事から見ていただかないと事情がわからないと思いますので1個戻ってください。
前の記事をまとめると、静特性データは自分のが6点とするとAラベル7点、Bラベル7点、Cラベル9点くらいになったというわけです。やっぱり曲をやってみなきゃ、といういことで、朝から一発取りです。

☆Lush Lifeをマイナスワンを使って録音してみた。

アドリブはいろんな音域でバランスをみるため吹いてみましたというところなので、演奏内容に関してはごめんなさい。
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マイク Sennheiser MD441U 音圧を感じたかったのでダイナミックマイクを採用
インターフェイス Tascam FW-1804
ソフト Logic pro 8
マイナスワン Jamey Abersold 34 Ballad Lush life
エフェクト 大先生と同じくらいのリヴァーブをかけました。
楽器 A Selmer Tenor M6 #91***

演奏結果
1 自分のソロイストD エクスパンダブルリガチャー リード La Voz Medium soft
http://homepage.mac.com/herosia2/music/lushlifeD1.mp3
2 ソロイストD ラベルA  以下同じ
http://homepage.mac.com/herosia2/music/lushlifeD2.mp3
3 ソロイストD ラベルB
http://homepage.mac.com/herosia2/music/lushlifeD3.mp3
4 ソロイストD ラベルC
http://homepage.mac.com/herosia2/music/lushlifeD4.mp3
5 オマケ 大先生のCDから Lushlife
http://homepage.mac.com/herosia2/music/lushlifeJH.mp3
すいませんマイナスワンを消し忘れていたので、明日なおします。

*感想ですが、前回の分析は部分的特性というもので、AとCが自分のものに比べて個性的で評価が高かったのだが、やはり曲を吹いてみると全く違う側面というか、実際的な特性が表れるものだと思った。
 それで自分のDは動特性(実際の曲の演奏)はかなり実戦的でいいと思った。
静特性が似ていたラベルBもかなりというか、もっと良かったようだ。これは音程も特別にいいのでこれかな、という気がしてきた。このタイプは自分のに似ていて、慣れているのでうまく鳴ったということもあるかと思う。
*お友達の皆さん、迷っております。コメントを下さいませんか。



Mystrerious #D Selmer short shank Soloist mouthpiece、D の研究 [sax]

我が家に結集した4本のDの勇姿。大型出力管(6CA7かな)のようである。
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送られてきた付属のヴィンテージリガチャーと自分のエクスパンダブル(これで比較を進めていく)
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セルマー マウスピース ショートシャンク ソロイスト D テナー用である。今これが絶好調。しかもリードはラヴォーズmsである。この組み合わせは現実的ではないと思いこんでいた。もちろんジョー・ヘンダーソンのセッテイングである。だれも彼のセッテイングでは吹けないのだと思っていたのである。今まではこのような狭いマウスピースにフレンチカットの固めのリード(たとえばヘムケ#4)をセットしてダブルリップスでサブトーンを追求してきた。ところが状況が変わった。一つはサックスを吹く時間(練習の)が多くとれるようになったこと。それからサックスの練習ミュートでおもしろがって筋トレしていたら体質が変わってしまったのである。簡単に言うとあらゆるマウスピースが使えるようになって、全部薄めのリードでちゃんと鳴るようになったのである。それなら追求するのはとりあえず相変わらずジョーヘンである。
 そこに、(この財政難の折)ある方から思いがけずショートシャンクのDをもう一本譲ってもらえることになり(持っていた1本目も譲っていただいている方です)、しかも今放出できる3本の中から選ばせてもらえることになったのである。何という幸運!
 ショートシャンクのD以上のオープニングのものはむちゃくちゃ貴重である。そんじょそこらに無いはずなのだが、このお方は3本も放出できるという。みんな仕方なくC☆くらいの物(これは市場にふんだんにある)をリフェイスして使っているのだが、ショートシャンクをリフェイスするのは危険である。ピッチが狂いやすいようなのだ。私の経験ではピッチが高めになり、音域によって安定しない現象が多く見られるのである。おわかりのようにショートシャンクをネックから抜いていくのは致命的である(半ば抜けちゃった状態ね)。
 オープニングEになるとさらに貴重なのだが、サブトーンと普通の音の間のホロートーン(だからジョーヘンの音ね)がかんたんに出せるのは私はDがもっとも適していると思うのだ。Eはふつうにとっても素晴らしいマウスピースだといえる。
 おのれの欲深さに罪を感じながらも私は4本のDと一緒に昨夜は実に幸福な眠りについたのである。
 それでせっかくだからショートシャンク、今回はDの研究をしてみたい。以前にショートシャンクのレポートはこのブログで行っているが、今回はDだけの巻きである。みんな興味ないと思うケド、勝手に始める。

 〈ショートシャンクDの研究と考察、実際〉
① 観察
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 左から自分のもの、それからA、B、Cと小さなラベルを貼って区別できるようにした。まず、観察した状態であるが、かなり古いはずだが、あまりゴムが焼けていないので保存状態はきわめてよかったことがしのばれる。Cが変色の度合いが深いので保存環境が違っていたか、またはこの個体だけが製造が古い、または天然ゴムの割合が多いといった可能性が考えられる。しかも写真を目視してもかすかにわかると思うが、この個体だけわずかに細いのである。これは2番目の写真のセルマーエクスパンダブルリガチャーを共通に使用したのだが、その止まる位置が他の3個体よりも3mmほど深いのだ。

② 低音域のつながり 自分のDを対照にして他の3個体を比較すると
 自分のもの:○ A:◎ B:○ C:◎
 となった。自分のもので十分満足しているので、AとCはとんでもなく良いということになる。それにしてもショートシャンクというのは見事にばらつきのない優秀なプロセスによって製造されていたことがわかる。 ブリルハートがそのばらつきによって個性を出していたのとは対照的である。まあこの点でどちらが優れているかは一概に言えない。ホンダNSXとフェラーリを比べるようなものだ。
③サブトーンの豊かさ
 自分のもの:○ A:◎ B:○ C:◎
 という結果になった。まあ①と同じ結果である。サブトーンの重要さがわかる。

③ 中音域の音質
 自分のもの:ややハード A:ソフト B:ややハード C:ソフト
 結局サブトーンの成分が多いものほどソフトなのだ。

④ 中音域D(実音C)の個性
 自分のもの:パワフル A:ファット B:パワフル C:ファットで倍音が豊か
 D(レ)の音は重要である。絶対音感が無くてもコルトレーンのDの音は音色でわかるくらいだ。
 ここまでは順調で、どれも素晴らしい。自分のものにない個性を求めるとすればAかCという風に限定可能なのだから。ところが次の結果から様子が変わってくる

⑤ ピッチ(音程)
 自分のもの:○ A:◎ B:Ex◎ C:やや高く、音域によってはやや変調あり 
という結果になってしまった。自分のDは以前、6本のショートシャンクのなかでもピッチの正確さは無類であったのだが、AとBはさらに安定しているようなのだ。逆にCはやや不安定(誤差の範囲だが)さが見られた。思うに、豊かな音質をもとめてCタイプ(細身)のショートシャンクが作られたが、楽器の音程の向上やアンサンブルのニーズなどによってこの時期、改良が行われた結果が残りの3本ということだとすればわかりやすい。ショートシャンクはロングシャンクの無骨なほどの安定感にくらべればピッチが変化しやすい。これが多様な表現を可能にしているのだから、音程の不安定さはショートシャンクの価値にさほど響かないのだが、リードセクションの一員としては責任がある。おそらくショートシャンクの製造が終わって、復刻さえも出ないのはこれが理由なのではないか。これを正確に作れる職人がおそらくもはやいないし、量産不能だからなのだと思う。選択は混迷を深めてきた。
 今日はこれで1日終わってしまった。最後にメッチャ耳がいい友人にジョーヘンのCDの音と聞き比べてもらったのだが、みんな充分ジョーヘンだという(手前味噌だ)。
 続きは明日以降。マイナスワンでの録音結果の比較、コンボでの録音結果の比較、野外音楽堂での比較、ライブなスタジオでの比較、デッドなスタジオでの比較。という風に進めていきたいとおもう。実は私は理科系なのだ。
 つづく・・・・・・

最近のテナーセッティング [sax]

レギュラー ショートシャンクC☆F相当リフェイス Hemke#3.5 Y's one Ligature  
やっと出会ったこの一本。思えば長い旅だった
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メタルで新しいAlexander SDC#3がいける Tone Master 3 リフェイス エクステンション付きの網目Ligature
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次を受け持つTone Master 4☆ リフェイス 縦目LigatureIMGP2665.jpg
その次の Super Tone Master Florida7 伝オリジナル なぜかフロリダのLigatureが合う。IMGP2667.jpg
フロリダ7とほぼ同じ開きのガーデラ Crescent フロリダのコピーだから音が似ているのだ。impulse! tone
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やっとこれらの組み合わせに落ち着く。リガチャーとの相性を試していると、昔リンク1つしか持っていなかった時が懐かしい。
まだ旅は続く
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The Martin Tenor sax report2 [sax]

追伸
所有者の方からコメントを頂きました。ストリームラインの方がいいようなのですが・・、とのこと。実は吹いていて自分もそう思っていました。ショートシャンクの方はM6で美質となっているドライでソリッドな感じが、なぜかマーティンではノイジーになるのです。ストリームラインはM6ではすこし泥臭くなるきらいがあるのですが、マーティンでは端正で、上から下まで絶妙なバランスで鳴るのです。個性的な楽器はこれだから面白いのですね。

マーティン テナー レポート その2であります。今回は宅録です。出来るだけこの楽器の特徴を出せる条件を整えて録音する予定だったのだけれど・・・・。下で試聴してください。

 年代は所有者の方の情報とシリアルナンバーから1951年製、コミッテイーというモデルになるのでしょうか。ナンバーは16万台なのですが、この年、セルマーはまだ4万台である。年ごとに飛んじゃっている可能性もあるのだけれど、なんといってもアメリカの軍需、教育需要に乗っかったメーカーだったということはあるのではないでしょうか。このへんの情報も詳しい人教えて下さい。この楽器はUSの刻印があり、軍御用達らしいです。民間用のものもあるらしいです。違うのでしょうか。興味ありますねえ。ブラスバンドというのは米語では軍楽隊という意味もあるのだ。堅牢な楽器だけど、やっぱり行進には重かったろうなあ。朝鮮戦争の時です。そう考えると胸が痛む。
 ヴィンテージの楽器が良い状態で現在まで保たれるためにはいくつか条件が必要です。
その1、当たりの楽器であったこと。つまり良い個体でなければ生き残っていないはずです。
その2、上手に使われてきたこと。下手な人のもとだったら良い楽器にはなれないし、あまり吹奏されていなければ本質的な部分が劣化していて使えなくなるはずです。おそらく早めに除隊させてもらった楽器でしょうね。
その3、この楽器の価値と特徴を理解しているゴッドハンドをもつリペアーマンが存在したこと。日本にもいますよね。つまり50年以上スクラップにならず残っている楽器というのはそれだけで名器のための条件をクリアしていることになるのでしょう。


今回試してみたマウスピースです。左からブリルハートエボリン、同ストリームライン、同ハードラバー、セルマーソロイストショートシャンクD。このうち採用したのはストリームラインとショートシャンク。奇しくも両方ともこの楽器の持ち主の方から譲っていただいたオリジナルのものです。やはりオリジナルはいい。ハードラバーはいけたのですが、リードを選んでいる時間がなかったのと、最近体がショートシャンクに適応しすぎているためうまく吹けなかったのね。結局リードは両方ヘムケの3.5使い回し、リガチャーはストリームラインオリジナルとセルマーはブリルハート逆締め用を順締めで使用。リンクもあったけど、何となく違うかなと思った。でも今後スラントとトーンマスターは試してみる価値はあるな。この頃のセルマ−バンディはショーターが使ってたらしいから。

マイクはソニー56Pがいい味なんだけれど、より特性がフラットな右のRODE NT2を採用。本当はいいダイナミック、EVのRE-20かゼンハイザーあたりが欲しいなあ。やっぱりマイクもヴィンテージなんだろうな。あとはTASCAM FW-1804に入れ、Power Mac G5でLogic proでHD録音。あまり特性をいじらずmp3に落としてあります。真空管アンプとアルテック604でモニターしたのでPCのスピーカーだとどうかな。KTー88だからマッキントッシュなら相性いいかも。ははは・・・・。
 バックはおなじみJamey play-a-long リズムセクションはD.Haerie J.Golsby Ed.Soph(何者?)
曲は
 You are my Everything (Brilhert Ebolin Streamline)
http://homepage.mac.com/herosia2/music/youare.mp3
 You and the night and the music (Selmer soloist shortshank D)
http://homepage.mac.com/herosia2/music/youand.mp3
 いつものことだけど一発初見に近いやっつけ録りなので、くれぐれも音だけをチェックしてくだされ。演奏にはノークレーム、ノーリターンでね。


The Martin Tenor sax [sax]

下に音源アップしました
写真 M6とMartin
キーガード、頑丈なワイヤー
サイドキーは古いドイツの楽器を思わせる配置、力がいるが精度は高い
ネックのアクションは堅牢かつ複雑
重量はあるが、バランスが良く、楽器全体にM6と似た振動をもつ。

堂々たる風格、マーティン ヴィンティージ シルバープレート テナーサックスです。いつもお世話になっている方からお借りして試奏させていただいています。驚いたことには大変古い楽器ですけれど現代の技術で完璧にオーヴァーホールされています。音程も大変よく問題ありません。肝心な音色ですが、左の愛用のアメセルM6と比べると、サブトーン領域ではとてもよく似た音だといえます。年代から言ってもSBAの方に近いですが。ポイントは狭いです。いい音がする吹き方をしないと奇麗に鳴ってくれません。M6から持ち替えるとアンブシュアがルーズになっているのでうまくなってくれないことがあります。その逆は問題なく、しかもM6を吹いてもマーティンの音になります。ちょうどヘインズやパウエルなどのビンテージのポイントが狭く、当たるとすごく奇麗な音がするフルートに似ています。吹いたあとYもMも同じ音がするというあの現象です。きれいな音しかしないというわけです。ジャズには理想的な音です。クラシック音楽の現代曲には無理があるかもしれませんが。サブトーン領域から連続して吹けあがっていきます。ワイヤーワークの低音部キーガードはConnのヴィンテージと同じなのですが、もしかしたらこの時代のエルクハートの楽器というのはどこかが部品を卸していて自社で組み立てというセルマーとアメセルのような関係があったのでしょうか。どなたか教えてください。それから各キーが時計回りに移動した場所に付いていて、体の前にまっすぐ構えるのではなく、すこし斜めに構えると指がフィットして音もよくなります。そうです自然にプレスの吹き方になるのです。これは楽しい発見でした。では音を聴いてください。
音を比較してみて下さい
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http://homepage.mac.com/herosia2/music/likesomeone.mp3


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